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『君たちはどう生きるか』(2023)

 『君たちはどう生きるか』観る。

 やっぱりプレインズウォーカーの設定ってクレストマンシーシリーズが元ネタなのかなーと改めて思いました。ほら、ウルザみたいだったから。

 まあ真面目な感想も書くけど、きわめて王道のゆきて帰りしファンタジー(少なくとも前半は)を大量の自己引用とともにやる、という造りには宮崎アニメのネタばらしめいたところがあり、そのため終盤の自己言及としか取りようがないくだりも受け入れやすくなっていました。というかこの映画を観てやっと、宮崎作品の西欧ファンタジーへの憧れの強さが、例えば庵野秀明なんかが先行作品に向けるそれとさほど変わらないものなんだと思い当たりました。

 もっと言えば終盤のインコと大叔父に収束しちゃったドラマを観てると「僕だってそんなにオリジナルな訳じゃないんだよ。庵野細田とは違うんだが。お前らとは違うんだが」というぼやきのように感じられ、エンドロールに並んだ「カラー」「地図」「ポノック」等々の名前を観たときは良くも悪くも感慨深くなってしまいました。なんにせよ悲しさが残る映画ですが(王国造りは失敗に終わってるわけだから)。

 一番印象に残ったのは石の積み木がばらまかれた草地のシーン。積み木って画にするとなおさら暗喩として強いね。