ブ日記

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ロマンティックな子供

 東京で一人暮らししていた学生時代、僕は、普段の生活範囲から外れた住宅地を歩いてメルヘン趣味な住居や古びたアパートのコンクリ壁なんかを見ているとだんだんノスタルジックな感傷に浸ってしまうという癖があった。たぶん自分の知らない場所に漂う「他人の生活」のにおいみたいなものに当てられていたんだろうと思っている。

 地元に帰ってからは基本どこも見慣れた場所なので当然その症状も起こらなくなっている訳だが、帰ってきてから五年以上経つ今となってはああいった感傷自体があの頃の若さ、というか幼さであるように回顧してしまう。